ALICE SYSTEM 大解剖 〜リアリティにこだわった設計思想とは?〜 Part 4:設計者の声 〜「ALICE SYSTEM」プロジェクトで得られたもの〜

公開日2025.09.03
小菅

ユーザーの生の声を聞いて設計に取り入れたり、神戸の家具メーカーと播州織の座席シートをオリジナルでつくったり、特定の方向だけに音を飛ばせる指向性スピーカーを導入したり…。展示物の企画・設計・生産を担当するデザイナーとして、普段は関わることのない方たちと新たな挑戦をすることができました。業界が違えばやり方も違い、学ぶことも多く、今後はこの異業種間の経験を通常業務でも活かしていきたいと思っています。

三谷

私は鉄道車両の設計を担当しているのですが、万博では「職長」という役割を初体験。会場に展示物を納める責任者ということで、これまでとは全く異なる慣れない業務でしたが、一生にあるかないかのプロジェクトを任せていただき、日々やりがいを感じながら取り組むことができたと思っています。社内外の関係者とも密に連携することで、横のつながり、情報共有の大切さを再認識できたのも大きな収穫です。

上野

私は愛・地球博では通期パスを購入するほど万博が好きだったので、そんな大舞台で自分が考えた将来航空機のコンセプトを発表でき、しかもそれを我が子と見ることができたのは、本当にかけがえのない経験になりました。今後も「ALICE SYSTEM」を実現させるため、航空機にとって最も重要な安全性の確保などに責任を持って取り組んでいきます。実は、万博の上空を飛んだKawasakiの「ブルーインパルス」は、当社が45年くらい前に考えた機体で、私の大先輩も携わっていました。次の万博では、この「ALICE Aircraft」を飛ばせたらいいなと思っています。

古賀

ジェットフォイルは当社が誇る本当に良い船で、それを進化させた「ALICE Ship」ならさらに可能性が広がり、設計段階では「あれもできる、これもできそうだ」と妄想が膨らみっぱなしでした(笑)。船のCGをつくってくださった小菅さんとも接点ができ、各方面のプロが集まっている川崎重工の層の厚さを感じましたし、車両や航空機の内装も大変参考になりました。今後もカンパニーを横断しての意見交換を続けていければ、当社の凄みがますます増していくのではないでしょうか。

谷口

普段、ジェットフォイルの設計についてお客様からさまざまなご要望をいただきますが、技術や規則の面からお断りするケースも少なくありません。しかし、今回描くのは2050年の未来。今は不可能なことでも自由な発想を設計に詰め込み、仲間と一緒に夢を膨らませることができました。小さい頃から海が好きで、大きなものをつくりたくて入社した私にとって、「ALICE Ship」は想いの詰まった船になっています。これからは常に2050年をイメージしながら仕事に向き合っていこうと思います

川崎車両株式会社
技術本部 技術戦略部
技術管理課
三谷 雄一郎 (ALICE Rail担当)
川崎車両株式会社
技術本部 技術戦略部
デザイン課
小菅 大地 (ALICE Rail担当)
航空宇宙システムカンパニー
航空宇宙技術本部 技術開発総括部 システム技術開発部
機体計画技術課 兼 水素航空機コア技術研究プロジェクト総括部
上野 陽亮 (ALICE Aircraft担当)
エネルギーソリューション&マリンカンパニー
船舶海洋ディビジョン 技術総括部
商船開発部 高速船計画課
谷口 公俊 (ALICE Ship担当)
エネルギーソリューション&マリンカンパニー
船舶海洋ディビジョン 技術総括部
商船開発部 高速船計画課
古賀 大志 (ALICE Ship担当)

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